髪は薄くなり
腹は出て
体力は驚くほど無くなり
何をした訳ではないのに
練習の次の日は身体中が痛い…
ひと昔前ならノックはどれだけでも打てた。
今は球は飛ばないし、長い時間のノックはつらい。
あとどれくらいやれるのだろう…
ノックをしなくても指導は出来るとは思うけど
ノックを打てない指導者にはなりたくない。
ただ最近は満足行くノックも打てなくなりつつある。
ノックの精度も落ちたと感じることがある。
今の子供たちの中には技術的に長けている子はたくさんいる。
でも野球を知っている子は少ない。
それは遊びで野球をやれないからだと思う。
我々が子供の頃は棒とゴムボールさえあれば暗くなるまで外で遊んでいた。
遊びの野球だからなんでも出来た。
遊びだから自分たちでルールも作れた。
人数が少ない時は四角いダイヤモンドを三角にして野球をやった。
ジャンピングスローも擬投も隠し球も
どうやって相手に勝つか、カッコ良いか、遠くに飛ばすかそんなことばかりやっていた。
学校の校舎の中や体育館ではピンポン球とホウキを使って変化球の打ち方を覚えた。
変な回転を付けて相手に打たれない様にするのを楽しんだり
難しい変化球を打って喜んだりした。
テレビで観た野球選手のモノマネをして、自然と内転筋や肘の絞りを覚えた。
(これは田淵幸一)知らないだろうなぁ…
一本足で真っすぐ立つ事も覚えた
(王貞治)古いなぁ…
真似ることは上達につながる。
マネてすぐ出来るのは才能だと思える。
そうやって野球にのめり込んだ。
しかし今は…
公園でキャッチボールはしてはいけません。
バットを振ってはいけません。
校舎の中でピンポン球をホウキで打っていたら怒られるんだろうなぁ…
野球もテレビ中継が無いからマネて盛り上がる事もないだろう。
我々が夢中になった
そんな時代の楽しい野球を教えてあげたい。
上達する楽しさを教えてあげたい。
猛練習して酷使して勝つ野球ばかりを追い求めて行くのではなくて
階段を一段一段と上がって行く様に野球をさせてあげたい。
僕らにはあの頃の毎日毎日楽しい野球があったから今も野球を続けている。
楽しさに勝る物はない。
楽しさに終わりはない。
あの頃の様な気持ちを今の選手たちに教えてあげたい。
味あわせてあげたい。
だからかなのかなぁ
少しでも長く指導者をやりたい。
今の子供たちが空き地で野球をやる様なクラブチームがあっても良いと思うなぁ
彼らはわざわざ野球をやらなければならない。
言われた通りの野球をやらなければならない。
ぼくらの時代はいつでもどこでも野球だった。
束縛されない野球だった。
高校野球は死ぬほど厳しかったが
それを辞めずに乗り越えられたのは中学生までの楽しい野球がバックボーンにあったからだと思う。
野球さえ出来ればそれで幸せだった。
だから野球で飯が食えればなぁ…
と本気で思った。
でもそれくらい今の子供たちに野球を好きになってもらいたいと本気で思う。
あとどれくらいやれるのだろう…
野球って最高ですね!
って言ってくれるOBでいっぱいにする。
子供たちと一緒に遊んでるだけだろって言われたら否定出来ないかもしれない。
あんたが一番楽しんでるって言われたらマズイかも…
それでも野球は楽しいぞ!
もう少しだけで良いので
体力と気力が持ちます様に…
よし、まずお酒の量をへらそう
がんばれ 俺…